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運動前?運動後?クエン酸飲料はいつ飲むべきか — 血中乳酸除去への効果を検証

2025年8月15日 更新

東麻布にあるストレッチ整体&パーソナルトレーニングジムCoCoDakara Body Design麻布十番店 東舘です。

暑い日が続いていますが、トレーニングしたりスポーツをしたり、運動していますか?

激しい運動をすると、筋肉が「乳酸」という物質をつくります。乳酸は一時的に筋肉のエネルギー源としても使われますが、溜まりすぎると筋肉の疲労感やパフォーマンス低下につながるため、運動後はいかに早く乳酸を除去するかが重要です。

この乳酸除去をサポートする方法のひとつとして注目されているのが「クエン酸(シトレート)」です。レモンや梅干しに多く含まれ、疲労回復の定番として知られていますが、「運動前に飲むべきか、それとも運動後に飲むべきか」という疑問には、これまで明確な答えがありませんでした。
そこで今回紹介する研究では、「クエン酸飲料を摂取するタイミングによって乳酸の除去速度は変わるのか?」が検証されました。





1. 研究の概要

対象となったのは、健康な若年男性41人(平均21歳)。
被験者は4つのグループにランダムに分けられました。

  1. 運動前にクエン酸飲料を摂取
  2. 運動後にクエン酸飲料を摂取
  3. 運動後に水を摂取
  4. 何も摂取しない

実験では、全員が5分間エルゴメーター(自転車型運動器)で高強度運動を行い、その後、血中乳酸値を

  • 運動前
  • 運動直後
  • 5分後
  • 10分後
  • 20分後
  • 30分後
    のタイミングで測定しました。



2. 結果はどうだったのか?

結論から言うと、運動前に飲んでも運動後に飲んでも、乳酸が下がっていくスピードに大きな違いはありませんでした
これを日常のイメージでたとえると、コインランドリーで洗濯が終わるまでの時間に似ています。
洗濯機を回す前にコインを入れても、回し終わってから乾燥の前にコインを入れても、最終的に洗濯物が乾くまでの全体の流れは大きく変わらないということです。
つまり、クエン酸飲料は「いつ入れても流れに乗って働いてくれるコイン」のような存在だと考えてください。

とはいえ、細かく見ると面白い動きもありました。
クエン酸を飲んだグループでは、運動直後から10〜30分のあいだに乳酸の下がり方がじわじわ安定していく傾向がありました。
これは「渋滞後の車列が少しずつ流れ始める」イメージです。
最初はどの車線も混んでいるけれど、信号のタイミングが合ってくると全体がスムーズに動き出す感じです。
運動で一気に増えた乳酸という車が、時間の経過とともに代謝という信号システムにうまく乗っていく。
その流れをクエン酸が手助けしている、と捉えると理解しやすいです。

実践面では、試合の前後、朝練の前後、夜トレの前後など、あなたの生活リズムに合わせて飲むタイミングを自由に選んでOKです。
「運動直後に飲めなかったら意味がないのかな」と心配する必要はありません。
「飲みやすいときに続けられること」が、最終的なコンディション維持の近道になります。



2.1. グラフなしでわかる結果のイメージ

グラフを使わずに状況を描写するとこうなります。
全員、運動直後に乳酸は高くなります。
そこから時間の経過とともに少しずつ下がっていきます。
クエン酸を飲んだ人たちは、この「少しずつ下がる」が安定して進む印象です。
まるで、汗が引くときに扇風機の風をゆるく当てているような、自然だけれど確実な後押しです。
一方で、飲むタイミングによる決定的な差は観察されませんでした。
つまり、タイミングで悩むより継続を大切にというメッセージが読み取れます。



2.2. いつ飲んでも同じって本当?

「本当に同じなら、いつ飲んでも全く同じ結果なの?」と感じるかもしれません。
ここでの“同じ”は、統計的に大差がないという意味合いです。
個人差やその日の体調、睡眠、前日の食事などで体の反応は揺れます。
それでも「運動前か運動後か」で大きく差がつくわけではない。
この安心感が、習慣化にはとても役立ちます。
タイミングを固定できない忙しい方ほど、クエン酸飲料は使いやすい相棒になります。



3. なぜクエン酸が効くのか?

クエン酸は体の中のエネルギー工場をスムーズに動かす手伝いをします。
専門的には「クエン酸回路(TCA回路)」と呼ばれる仕組みで、食事から取った糖や脂質、運動で生まれた乳酸を、少しずつエネルギーに作り替える流れです。
難しく聞こえますが、やっていることは「材料をムダなく使い回して、必要な電力を安定供給する」ことです。
クエン酸飲料は、この流れを穏やかに後押しして、乳酸の片づけを手伝ってくれるイメージです。
一気に魔法のような変化を起こすわけではありませんが、地味だけど効くサポート役だと覚えておきましょう。



3.1. 台所のたとえでわかるTCA回路

台所での料理にたとえるとわかりやすいです。
鍋がコンロに、食材が糖や脂質や乳酸です。
火加減をうまく調整しながら、食材を無駄なく料理にしていくのがTCA回路の働きです。
ここに「だし」のような役割でクエン酸が入ると、味の巡りが良くなり、全体がまとまって仕上がりが安定します。
クエン酸が入っているから突然ごちそうが倍増するわけではありません。
でも、味が決まりやすく、作業がスムーズになり、台所全体の回転が良くなる。
これが、乳酸の処理が穏やかに進むイメージと重なります。



3.2. 身近な食べ物でクエン酸をとる

クエン酸はレモン、グレープフルーツ、梅干し、お酢などに多く含まれます。
レモン水を作るなら、コップ一杯の水にレモン果汁を少量垂らし、蜂蜜を少し加えると飲みやすくなります。
運動前後に限らず、朝の目覚めの一杯としてもおすすめです。
酸味で口の中がさっぱりし、水分も取れるので、体を動かし始めるスイッチとして役立ちます。
市販のクエン酸飲料を選ぶときは、糖質量や酸味の強さを確認して、自分の胃腸に合うタイプを選びましょう。



4. 実用的な示唆

ポイントはシンプルです。
続けやすいタイミングで飲む。
運動の前後どちらでもOK。
水分補給と一緒に行う。
この三つを守れば、クエン酸飲料はあなたの回復ルーティンに自然になじみます。
たとえば、ウォームアップで関節を回しながら少しずつ飲む。
クールダウンで深呼吸やストレッチをしながら口に含む。
これだけでも、循環が良くなって「重だるさ」が抜けやすくなります。
忙しい日でも、ボトルに入れて持ち歩けば、タイミングを逃しません。



4.1. 種目別の使い方のコツ

  1. ランニングやサッカーなどの持久系。
    長めの運動では、休憩時間に少しずつ飲む方法が向きます。
    口の中がリセットされるので集中力も保ちやすいです。
  2. ウェイトトレーニング。
    セット間や終了後のストレッチ中に少量ずつ。
    プロテインと同時に取りたい場合は、味がケンカしないように時間を少しずらすと続けやすいです。
  3. テニスやバスケットボールなどのインターバル系。
    ゲームの合間に一口。
    呼吸を整えながら飲むと、体感的なリフレッシュが得られます。



4.2. 生活シーン別の活用例

  1. 立ち仕事のあと。
    帰宅後の入浴前にコップ一杯。
    湯上がりのだるさが軽くなる感覚を得やすいです。
  2. デスクワークの肩こりや目の疲れ。
    昼休みに外を少し歩き、戻ってから一口。
    姿勢リセットと水分補給が同時にでき、午後の集中が戻りやすいです。
  3. 朝のだるさ。
    起床後にぬるめのレモン水を少量。
    胃腸に優しく、体のスイッチが入りやすくなります。



5. 注意点と今後の課題

クエン酸は便利ですが、万能薬ではありません
酸が強い飲み物なので、人によっては胃がムカムカしたり、歯の表面にダメージが出る可能性もあります。
また、糖質入りのドリンクは飲み過ぎるとカロリーや血糖が想定以上になります。
まずは少量から始め、体調に合わせて量や濃さを調整しましょう。
研究面では、若年男性以外の層や、種目、気温、栄養状態の違いによる反応の差を検証する必要があります。
「自分にはどう効くか」を確かめるつもりで、記録しながら試す姿勢が大事です。



5.1. 胃や歯を守る小ワザ

  1. 空腹時は濃くしすぎない。
    水で少し薄めて様子を見る。
  2. ストローを使う。
    歯に直接触れる時間を減らせます。
  3. 飲んだ後は水で軽く口をすすぐ。
    エナメル質を守る一歩です。
  4. 甘味の強いタイプは運動量に合わせる。
    消費カロリーが少ない日は量を控える。



5.2. こんな人は様子を見ながら

胃腸が弱いと感じる人、歯のエナメル質が気になる人、糖質制限中の人は、濃度や量を控えめに始めましょう。
持病がある人や薬を飲んでいる人は、主治医の指示が最優先です。
体の声を聞きながら、無理なく、少しずつ取り入れるのがコツです。



6. まとめ

クエン酸飲料は、乳酸の片づけをゆるやかに後押ししてくれる実用的なサポーターです。
運動前でも運動後でも、あなたが続けやすいタイミングでOKです。
洗濯や渋滞のたとえで説明したように、流れに乗せてあげれば結果はきちんとついてきます。
今日からできる小さな一歩は、ボトルに入れたクエン酸ドリンクを練習バッグに入れておくことです。
迷ったら「続けやすさ」を優先。
明日の体が少し軽く感じられたら、その方法はあなたに合っています。



7. 筆者のおすすめ活用法

  • トレーニング後のストレッチ中に少しずつ飲む。循環を促し、クールダウンを助けます。
  • 軽い筋トレやランニングの前に数口。体のスイッチを入れるイメージで。
  • レモン果汁+蜂蜜+水の簡単レシピ。濃さはその日の体調に合わせて調整しましょう。
  • 仕事の合間のリセット用に小さなボトルで常備。こまめな一口が習慣化のコツです。

クエン酸は、タイミングを選ばずに取り入れられる「頼れる相棒」です。
運動の質と回復の質を少しずつ底上げして、明日のパフォーマンスにつなげていきましょう。


> 参考文献: Effect of timing of citrate drink ingestion on blood lactate removal



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2025年8月14日 公開
2025年8月15日 更新